コラーゲンの基礎。今回は「コラーゲン原料／家畜の皮と骨」です。

コラーゲン原料／家畜の皮と骨

牛や豚などの家畜から食肉を生産するときに副産物として皮や骨が産出します。この皮の真皮層部分（毛を含む上層の表皮と皮下組織＝皮膚が筋肉と接合している部分＝を除いた皮膚の中心層）が原料として使われることが多いです。

これはコラーゲン含有量が多く、不純物が比較的少ないからです。

皮のほかに骨もコラーゲン原料として使われますが、無機質（カルシウムとリン酸）を多く含むのでこの処理に特別な手聞がかかり、そのコラーゲンは酸やアルカリによる前処理をしないと溶けにくいです。

そのため水溶性コラーゲンの原料としては使用されず、ゼラチン（コラーゲンが熱により変化したもの）原料としてはよく使用されます。

動物の年齢によりコラーゲンの性質が異なるので、得られるコラーゲン製品にも違いが生じます。例えば豚は通常６ヶ月齢でありその皮は、３年齢以上になる牛とくらべると線維が細く、軟らかく、保水性が高く、溶けやすいです。

しかし牛皮は厚いので真皮の割合が多く、従来工業的には主にこれが使用されていました。近年は牛のＢＳＥ問題をきっかけとして、豚由来の若いコラーゲンが多く使われるようになっています。

山羊、羊も使用できますが、一般に小動物は皮が薄いので工業的に使いにくいです。

参考になさってください。

（薬学博士）

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